ネットワークポリマー
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バイオマス由来エポキシ樹脂硬化物の作製及び検討
中川 佳織大山  俊幸高橋 昭雄中村 嘉利岡部 義昭香川 博之
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2011 年 32 巻 3 号 p. 122-129

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抄録

本研究の目的は,木質系バイオマスに含まれ,かつポリフェノールであるリグニン(L)をフェノール樹脂として利用し,最終的には100%バイオマス由来のエポキシ樹脂硬化物を作製することである。この硬化物作製に向けて,本研究ではL の構造単位の一つであるコニフェリルアルコール(CA)を用いたモデル反応を行った。 1 H-NMR 測定の結果CA は,フェノール性水酸基だけでなくアルコール水酸基もエポキシ化されていることが分かり,またエポキシ化CAはCAと期待通り反応したということが分かった。また,CAとフェニルグリシジルエーテル(PGE)の反応により,CA の水酸基がグリシジル基と円滑に反応することが分かった。この結果を基に実際にL によるエポキシ樹脂の硬化を試みた。結果,石油由来の硬化剤であるフェノールノボラック(PN)によってDGEBA を硬化させたものよりも,L 硬化系の方がガラス転移温度(Tg)が約20℃,500℃まで加熱したときの残渣が約10%向上する結果が得られた。

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© 2011 合成樹脂工業協会
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