抄録
概 要環境負荷低減技術開発の一環として,電気・電子部品に多く使用されているエポキシ樹脂組成物のバイオマス化に取り組んでいる。木質バイオマスとして,耐熱性に優れる芳香環と反応性に富む水酸基を有するリグニン及びリグノフェノールを選択し,これをエポキシ樹脂の硬化剤に用いたバイオマス由来エポキシ樹脂組成物のトランスファーモールド用成形材料への適用性を検討した。水蒸気爆砕法で得たリグニン,相分離変換システムで得たリグノフェノール,およびそれらを溶媒で抽出したより低分子量のリグニン,リグノフェノールを硬化剤として用い,これらと市販のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂,シリカフィラを配合し,成形材料とした。リグニン誘導体を硬化剤に用いた成形材料は,市販成形材料と比較して溶融粘度は高いものの,その硬化物のガラス転移温度(Tg)は高く,他の電気・機械的特性は市販成形材料と同等であった。作製した樹脂組成物を用いて,トランスファーモールドによる小型モータの固定子の作製及び,それを用いた小型モータの試作に成功した。