抄録
ポジ型フォトレジスト材を用いたドライフィルムを作製できるようになれば,新たなニーズの展開が期待できる。本研究では,柔軟性を持つレジスト用クレゾールノボラック樹脂の開発を試み,アルデヒド成分にはジアルデヒド型のアジポアルデヒド(Adp)を用い,クレゾール(Cre)類と付加縮合させてノボラック樹脂(Cre/Adp)を調製した。得られた樹脂の中から,アルカリ水溶液溶解速度<1000Å/sec,Mw >3000 の条件を満たすものを選出した。これらをポリイミドフィルム上に膜厚5μm に塗布した試料を折り曲げ,折り曲げ面の樹脂の飛散状態から柔軟性を評価した。アルデヒド成分にホルムアルデヒドを用いた樹脂の折り曲げ面は砕け散っていたが,Cre/Adp 系樹脂のそれは,砕けることなくひび割れが入る程度であった。なお,Cre/Adp 系樹脂の柔軟性は,動的粘弾性測定結果からも確認できた。描画性能は,シリコンウェハ上に樹脂を膜厚1.5μm となるように塗布し,レジストパターン作成して評価した。柔軟性をもつCre/Adp 系樹脂の中には,96%以上の残膜率と2.5μm までの描画能を有するものもあった。