ネットワークポリマー
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総説
液液・固液界面での化学反応を利用した高分子ナノ材料の創成
樋口  倫太郎甲斐  嵩平坂口 和樹上村  忍國武  雅司
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2012 年 33 巻 3 号 p. 146-153

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抄録
界面を利用した化学反応によって,均一相では合成できないような化学構造を持った高分子を合成することが可能である。本稿では,液液界面における界面クリック反応によるナノ薄膜形成とSchiffbase カップリング反応を利用した固液界面での化学液相成長について紹介する。油水界面におけるアジド基とアルキン基間のクリック反応によって,性質の異なるポリマー同士を液液界面で架橋した高分子ナノ複合材料が生まれる。液液界面の形状を利用することで,その形を反映したフィルムやカプセルを作り出すことができる。また,Schiff base カップリングの反応平衡性を利用することで,固液界面で選択的に反応を進行させることで,共有結合性2 次元ナノ超分子構造体の構築やπ共役ポリマー薄膜のその場合成に成功した。
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© 2012 合成樹脂工業協会
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