ネットワークポリマー
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水蒸気爆砕リグニンを利用したエポキシ樹脂の合成と バイオマス由来エポキシ樹脂硬化物の作製
川野 裕介大山 俊幸高橋 昭雄中村 嘉利
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2013 年 34 巻 2 号 p. 77-84

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抄録
リグニン由来エポキシ樹脂(EL)が爆砕リグニン(L)とエピクロルヒドリンとの反応により合成された。EL の構造はフーリエ変換FT-IR スペクトル,1H NMR スペクトルにより調査されL にエポキシ基が導入されたことが確認された。更に,EL は石油由来フェノールノボラック(PN),又はL の二種類の硬化剤でそれぞれ架橋され,得られた硬化物の熱的特性は熱重量分析(TGA),動的粘弾性試験(DMA)により調査された。結果,汎用石油由来エポキシ樹脂を主剤として使用した硬化物の熱的特性と比較し,EL を主剤としPN,L それぞれで硬化した硬化物の熱的特性は共に高いガラス転移温度(Tg),800℃での高残渣を示した。また,L 硬化系の硬化物中のリグニン含有量は89wt%に達し,EL はバイオマスベース熱硬化性樹脂としての応用の可能性が確認された。
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© 2013 合成樹脂工業協会
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