ネットワークポリマー
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シアネート硬化エポキシ樹脂を用いた高熱伝導材料の開発
小宮  玄松崎  栄仁関谷  洋紀
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2014 年 35 巻 2 号 p. 58-64

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抄録
半導体パワーデバイスは年々高密度化しており,動作温度も高温化する傾向にある。特にSiC デバイスは動作温度を高くできる一方で,これらを実装する高い耐熱性をもった材料が必須となる。熱硬化性樹脂からなる封止材料においても優れた耐熱性・放熱性が求められている。本報ではエポキシ樹脂系封止材料の高耐熱化と高放熱化の両立を目指して開発を行った。前者の高耐熱化においては,シアネート硬化により環状結合を形成したエポキシ樹脂を検討してガラス転移温度と向上した。後者の高放熱化に関しては,無機フィラーの充填様式をデザインして実現した。高充填した球状Al2O3 に鱗片状BN を加えフィラー間の熱経路を確保し熱伝導率を向上させた。 このような手法で,Al2O3/BN 複合充填シアネート硬化エポキシ樹脂のガラス転移温度を200℃以上,熱伝導率を7 W/(m・K)以上にまで向上するに至った。
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© 2014 合成樹脂工業協会
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