ネットワークポリマー
Online ISSN : 2186-537X
Print ISSN : 1342-0577
ISSN-L : 1342-0577
報文
環状アミジン類によるエポキシ樹脂の硬化挙動
佐藤  大輔小川  亮松本  幸三遠藤  剛
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 35 巻 6 号 p. 279-284

詳細
抄録
強塩基性を持つ環状アミジン化合物はエポキシ樹脂の硬化促進剤として報告されているが,単独硬化剤としての知見は非常に少ない。本研究では活性水素を持つ単環状アミジン化合物1,4,5,6- テトラヒドロピリミジン(THP と略記)によるエポキシ樹脂の硬化挙動を検討した。その結果,THP とエポキシ樹脂との反応はTHP とエポキシドの付加反応(開始)とエポキシドの重合反応(生長)に基づく2 段階の発熱反応が観察された。開始反応では,THP とエポキシ基との付加反応により水酸基が生成し,次いで生成した水酸基からTHP 由来の3 級アミノ基によるプロトンの引き抜きが進行し,生成したアルコラートアニオンによるアニオン重合で硬化反応が進行する機構を提案した。
著者関連情報
© 2014 合成樹脂工業協会
前の記事 次の記事
feedback
Top