抄録
生体適合性接着剤への応用を目指して,水中室温下でのポリ(γ- グルタミン酸)(γPGA)へのカテコール構造の導入とネットワーク化を検討した。γPGA にヒドロキシスクシンイミドと水溶性カーボジイミドを反応させ, γPGA のカルボキシル基の一部をエステル化しSI-γPGA を合成した。SI-γPGA の炭酸水素ナトリウム水溶液に3- ヒドロキシチラミン(DOPA)塩酸塩を添加したところ,DOPA 修飾γPGA が得られた。一方,SI-γPGA 水溶液に4,7,10- トリオキサ-1,13- トリデカンジアミン(TODA)を添加したところ,素早いゲル化が見られTODA によるγPGA の架橋が確認された。SI-γPGA 水溶液にDOPA 塩酸塩とTODA を加えたところ,DOPA 修飾とジアミン架橋の両反応が同時進行したことが示唆された。SI-γPGA/TODA/DOPA 混合液とSI-γPG/TODA 混合液をそれぞれ豚革に塗布し別の豚革を貼り合わせて圧着し引張試験により接着性評価を行ったところ,DOPA を添加したサンプルがDOPA を添加しないサンプルよりも3 倍以上高い接着強度を示した。