抄録
フルオレン骨格を持つエポキシ樹脂のオキシラン環を,チオ尿素を硫黄源としてチイラン環とすることによってフルオレン骨格エピスルフィド樹脂を合成した。この反応においてモレキュラーシーブスとクラウンエーテルが反応促進剤として用いることによって,チイラン環への変換率は99%に達した。 得られたエピスルフィド樹脂は1,3- ビス(アミノメチル)シクロヘキサンを用いて硬化され,透明で比較的高い屈折率(nd >1.61)と低い複屈折性を持つ硬化物が得られた。チイラン化率が70 および90%のエピスルフィド樹脂の硬化物は,相分離構造を示した。この相分離した硬化物は透明でありながら,高い強靱性を示した。これは,ナノメートルオーダーの微細な相分離による応力分散に起因すると考えられた。