2016 年 37 巻 4 号 p. 168-174
近年,省エネルギーの観点から,より素早く硬化するエポキシ樹脂組成物が求められている。素早い硬化が可能な硬化系としてカチオン重合硬化が良く利用されている。これまでに著者らは,ビスフェノールA 型β- メチルジグリシジルエーテル(Me-BPADGE)がカチオン重合硬化系において高い反応性を有し,Tg が低く,柔軟な硬化物を与えることを明らかにしている。この特性は,β- メチルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が前述の要求性能に応え得る材料であることを示している。本報では,モノマーの中心骨格が反応性および硬化物物性に与える影響を考察するため,中心骨格の異なる4 種のβ- メチルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を合成し,その反応性と硬化物物性について調べた。その結果,DSC 分析により中心骨格に電子供与性を有するβメチルジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が,高い硬化性を有していることが分かった。また,DMA で硬化物物性を調べたところ,エポキシ基濃度,中心骨格の剛直さに応じて物性が変化することが明らかとなった。