2016 年 37 巻 6 号 p. 236-241
(メタ)アクリル酸エステルの製造方法の一つとして,当社ではエステル交換法を採用し,長年にわたり製造技術を向上させてきた。このエステル交換法を適用したアクリル酸ジシクロペンテニルは,不純物が少なく,刺激性の低いものとなった。また60 ℃の保管安定性は色相や酸価が上昇しにくく,分解が起こりにくいものであった。
また,DCPD 構造を有するモノマーの重合体はTg が高く,またUV 硬化系においては,五員環の二重結合が反応して架橋が起こっていることが示唆された。
(メタ)アクリル酸エステルは,アクリル樹脂の構成成分として使用される場合,もしくは光硬化性樹脂組成物,特に反応希釈剤として使用される場合などがあり,それらの用途としては,種々の塗料やコーティング剤,粘接着剤,建材,光学材料など多岐にわたる。