ネットワークポリマー
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総説
カチオン重合
青島 貞人金澤 有紘金岡 鐘局
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2017 年 38 巻 1 号 p. 21-28

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抄録

カチオン重合は最も古くから知られている重合法の一つであるが,生長種の不安定さから,他の重合系に比べ重合制御はこれまであまり進んでいなかった。しかし,リビングカチオン重合が見いだされ構造や分子量の制御されたポリマーの精密合成が可能になったことと,官能基を有するポリマーが開拓されたことにより,多くのブロック・グラフトポリマーの選択的合成が可能になり,一部工業化もされるようになった。また,多くの刺激応答性ポリマーも合成されるようになり,リビング重合ならではの高感度応答,自己組織化,多段階応答などが見られるようになった。さらに最近,新しいモノマーや重合法(とくに低環境負荷型,簡便な手法など)が次々に開拓され,星型ポリマーをはじめとする機能性材料が続々と合成されている。その例としては,各種植物由来モノマーの制御重合,ラジカル・カチオン共重合,刺激応答性/選択的な分解性を有するポリマーの精密合成,モノマー選択重合,ビニル付加・開環同時カチオン共重合などが可能となった。本報では,カチオン重合の基礎から始まり,リビングカチオン重合の進展,そして最近の展開として星型ポリマーを中心に概説する。

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© 2017 合成樹脂工業協会
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