2017 年 38 巻 1 号 p. 14-20
アニオン重合は,重合可能なモノマー種が多く多彩な構造のポリマーを合成することができることと,それらの多くのモノマー類の重合反応において『リビング重合』ができることが大きな特徴である。リビング・アニオン重合技術が開発されてから約50 年を経るが,同技術は劇的に発展して工業的にも種々のポリマーを合成するために活用されてきた。本稿では,アニオン重合の基礎的な内容について簡単に言及した後,最近の工業的なアプリケーションとして「低燃費タイヤ用末端機能化エラストマー」と「半導体パターニングに用いられるブロック共重合体」への適用例について述べる。