ネットワークポリマー
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総説
大員環形成を伴う閉環(環化)重合
松村 吉将落合 文吾
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2017 年 38 巻 1 号 p. 39-45

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抄録

閉環(環化)重合は高分子主鎖に直接環状構造を構築する上で有用な手法である。環構造を有する高分子は一般的に,剛直さや高密度を利用して高強度材料などに用いられている。さらに,他のイオンや分子などとの特異な相互作用を発現し得ることから,分子認識材料,分子捕捉剤,クロマトグラフィーの固定相などとしての応用も検討される。熱力学的に有利な小員環の形成を伴う閉環重合は比較的容易であるが,大員環構造の形成を連続的に伴う重合の達成には十分な分子設計を要する。さらに分子認識などの機能を付与するには,より精密に環構造を設計する必要がある。そこで本稿では閉環重合,中でも特に大員環構造の形成を伴う重合を紹介する。また,得られるポリマーの分子捕捉能などの機能についても併せて解説する。例えば,クラウンエーテルに類似した環構造を有するポリマーは各種金属イオンやアミノ酸などの分子捕捉能を示す。さらに,捕捉する分子の光学活性に応じて,一方向のらせん構造がポリマーに誘起される例など高次の構造の発現についても併せて紹介する。

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© 2017 合成樹脂工業協会
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