2017 年 38 巻 4 号 p. 158-165
アセト酢酸から誘導される有機塩型の光塩基発生剤を設計・合成した。発生塩基として,3 種類の有機強塩基を選択しそれぞれ調製した。メタノール中254 nm 光を10-1000 mJ/cm2 照射することで分解することを確認した。また,フェノールレッドを用いた実験を行なったところ,254 nm 光照射とその後の加熱により,対応する有機強塩基を発生していることが示唆された。さらに,これらの光塩基発生剤を4 官能チオールと4 官能エポキシ混合樹脂中に10 mol%だけ添加し,アニオンUV 硬化を行なった。100 ℃以下の温和な加熱条件で硬化することが分かり,実用的な硬度(鉛筆硬度)を得た。さらに,有機強塩基としてホスファゼンを選択することで,254 nm 光照射後に10 分間室温静置するだけで硬化することを見出した。