ネットワークポリマー
Online ISSN : 2186-537X
Print ISSN : 1342-0577
ISSN-L : 1342-0577
報文
フィチン酸とポリアミン類のポリイオンコンプレックス形成に基づく ネットワーク構造の形成
須藤 篤長谷川 初美村永 純
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 38 巻 5 号 p. 212-218

詳細
抄録

フィチン酸(PA)は米糠や豆皮などに豊富に含まれる化合物であり,多数のリン酸基をもつ。本研究では, PA と多分岐ポリエチレンイミン(BPEI)やキトサン(CTS)といったポリアミン類を混合することで,ポリイ オンコンプレックス化にもとづくネットワーク構造の形成を検討した。フィチン酸の水溶液とポリアミン類の水溶液を混合するとただちに沈殿が生成し,特にCTS との組み合わせにおいて定量的にポリイオンコンプレックスが生成することが明らかになった。また,あらかじめPA をアンモニアで中和しておく,もしくはポリアミンを揮発性の酸で中和しておくことによってPA とポリアミン類の混合溶液を調製することができ,この溶液をテフロン上にキャストし,溶媒である水とともにアンモニアや酸を揮発させることで,透明かつ柔軟なキャストフィルムを作製できることを見出した。特に,PA CTS から得られたフィルムは広範囲のpH 領域において安定であった。

著者関連情報
© 2017 合成樹脂工業協会
前の記事 次の記事
feedback
Top