ネットワークポリマー
Online ISSN : 2186-537X
Print ISSN : 1342-0577
ISSN-L : 1342-0577
報文
プロパルギルオキシ基を有する新規ベンゾオキサジンの合成とその硬化物の熱分解性の検証
有田 和郎下野 智弘大津 理人山口 純司鈴木 悦子小林 美佐江
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2017 年 38 巻 6 号 p. 259-269

詳細
抄録

ジヒドロキシ芳香族類を原料とし,1 分子中に2 個のプロパルギルオキシ基を有する新規のモノベンゾオキサジンを合成した。これを用いた硬化物は,動的粘弾性試験において350 ℃を超えるガラス転移点(Tg)を示すとともに熱重量測定試験においても優れた耐熱分解性を示し,次世代パワーデバイスが要求する物理的耐熱性と化学的耐熱性を高次に兼備することが確認された。また,この硬化物は広い温度範囲で低熱膨張係数と高弾性率を維持した。プロパルギルオキシ基を有する新規ベンゾオキサジンの優れた特性の理由について,モデル物質を用いた反応挙動の調査や,熱分解ガスの組成を分析することで考察した。

著者関連情報
© 2017 合成樹脂工業協会
前の記事 次の記事
feedback
Top