抄録
種々の構造および官能基数の異なるエポキシ樹脂のポリメルカプタン硬化剤による硬化の相対的な硬化速度およびこれらの硬化物の物性を検討した。
相対的硬化速度は次のようにエポキシ樹脂原料の塩基性が増す (即ちpkaが高い) ほど小さくなった。脂肪族アミン≪芳香族アミン<フェノール<カルボン酸。メルカプタンは弱酸にもかかわらず, この速度の順序は芳香族アミンによる硬化速度の順序と一致した。
これらの樹脂系の硬化物の動的粘弾性の検討から, 4官能性樹脂 (TGMXDAとTGDDM) は2官能性樹脂 (DGEPAとDGEBA) より橋架け密度 (ρ (E′)) もガラス転移温度 (Tg) も高かった。又, 剛直な芳香環を2個持つ樹脂 (DGEBAとTGDDM) は1個の樹脂 (DGEPAとTGMXDA) とρ (E′) は同じ程度にもかかわらずTgが高くなった。そして, いづれの硬化物も樹脂/硬化剤の配合比が1/1より1/0.6の硬化物の方がρ (E′) は小さくなるがTgは高くなった。
硬化物の室温での曲げ強さおよび引張りせん断接着力は, ほぼ一般的なエポキシ樹脂硬化物と同じであった。