熱硬化性樹脂
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非収縮性モノマーの合成と材料化
遠藤 剛小笠原 誉久
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1984 年 5 巻 2 号 p. 98-110

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抄録
スチレンやメチルメタクリレートなどの一般のビニルモノマー, エポキシ樹脂, 熱硬化性樹脂等が重合する際, 容積の収縮を伴なうことはよく知られている。この現象は材料の開発や高分子化学の観点から大きい問題になっているのが現状である。ここでは, 非収縮性モノマーの合成と材料化に関する最近の進歩についてまとめた。
まづ, 一般のビニルモノマーの重合時における収縮率とモノマーの分子量の逆数がよい直線関係を示し, この関係が新しい機能性モノマーの設計に重要なヒントを与えることを示唆した。次に非収縮性モノマーの合成についての最近の研究について述べ, 材料化の考え方を示した。ついで東亜合成化学で開発された「EXP-シリーズ」の種類と特性についてまとめた。EXP-レジンは硬化時の体積変化がない点に最大の特徴をもつ新規熱硬化性樹脂で, 従来のエポキシ樹脂などでは収縮に基づく技術的解決が不可能な分野, 例えば接着剤, 注型材, 封止材, 精密成型材料などで種々の応用が期待できる。
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© 合成樹脂工業協会
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