ネットワークポリマー
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時分割動的光散乱によるゲル化反応解析
柴山 充弘
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1999 年 20 巻 3 号 p. 113-121

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抄録
ゴムやエポキシ樹脂などではゲル化点の決定は重要であるが, 同じく架橋系高分子であるゲルの場合, できあがったゲルが目的の性質を発揮すればよく, いつゲル化したかについてはあまり問題にしない場合が多かった。ところが, ゲル化点近傍では様々な面白い物性が現れ, ゲル化後のゲルとは異なった世界がある。既に広い分野で実用化されている機能性ゲルに新規性を持たせるためには, このゲル化点近傍の物性に注目する必要がある。この総説では, ゲル化過程を非接触・非破壊的にモニターできる時分割動的光散乱法について概説する。この手法によればゲル化は散乱強度の急激な増大, フラクタル性の発現スペックルの発現などとして明確に決定できる。さらに, ゲル化点近傍でのダイナミクスはゲル化のみならずガラス化についても敏感であるため, この分野の研究は機能性ゲルの開発に多くの示唆を与えると思われる。
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