ネットワークポリマー
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フェノールノボラック型ベンゾオキサジンとビスオキサゾリンとの硬化反応および硬化物物性
木村 肇田代 和久松本 明博
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2000 年 21 巻 3 号 p. 147-152

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抄録
開環反応を利用した新しいタイプのフェノール樹脂に関する研究の一環として, 分子量の異なる2種類のフェノールノボラックのベンゾオキサジン化合物を合成し, これらの化合物とビスオキサゾリンとの硬化反応を行い, その硬化挙動および硬化物物性について検討した。その結果, 硬化反応は170℃でまず, ベンゾオキサジン環が開環し, 次に, 生成したフェノール性水酸基とオキサゾリン環が200℃で反応してアミド結合を生成することがわかった。また, ベンゾオキサジン化合物の分子量による硬化反応性の差を検討した結果, 分子量の小さなベンゾオキサジン化合物を用いた系の方が, 分子が動きやすく, より低温で硬化反応が進行することがわかった。硬化物物性を検討した結果, ベンゾオキサジン化合物を用いた系の方が従来のノボラックを用いた系よりも耐熱性, 破壊靭性, 耐水性が優れていた。また, ベンゾオキサジン化合物の分子量による硬化物物性の差を検討した結果, 破壊靭性は分子量の小さなベンゾオキサジン化合物を用いた系の方が, 耐熱性, 電気絶縁性および耐水性は分子量の大きなベンゾオキサジン化合物を用いた系の方が優れていた。
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