抄録
アミノトリアジンノボラック(ATN)は非ハロゲン難燃性のガラスエポキシ積層板等に応用されている。ATNを用いる系では, フェノール性水酸基/エポキシ基モル比(当量比)として従来は1.0付近が推奨されてきた。しかし, ATN中の窒素(おそらくアミノ基)による硬化反応への関与の程度は窒素量により考慮されるべきであり, 窒素含有量に応じて前記当量比が1.0よりも小さい領域にガラス転位温度(Tg)の最大値があり, ゲル化時間(GT)の延長効果もあることが明らかになった。また, ATNは一般のノボラックに比べ熱的に不安定で, 250℃でも短時間では大きな化学構造変化はないが, より長時間では徐々に変化が生じた。ここでの主たる化学構造変化はアミノトリアジン化合物とメチレン基との切断と推定され, 最終的にはアミノトリアジン化合物が遊離してくる。ATNは低温ほど安定なので, 実用上は200℃以下・数時間以下でエポキシ樹脂硬化物とする事が必要である。