ネットワークポリマー
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親水性有機-無機ハイブリッド膜によるエタノール水溶液の分離濃縮に及ぼす膜構造の影響
浦上 忠松木 浩志宮田 隆志
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2001 年 22 巻 3 号 p. 157-162

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抄録
近年, 有機材料と無機材料とをナノオーダーで複合化した新規な有機-無機ハイブリッド材料に関する研究が盛んに行われ, 様々な方面への応用が期待されている。本研究では, ポリビニルアルコール (PVA) とアクリル酸 (AA) との共重合体 (P (VA-AA)) に, 無機材料としてテトラエトキシシラン (TEOS) をゾルーゲル法により導入したハイブリッドネットワーク構造を有する新規な有機-無機ハイブリッド膜を調製し, エタノール水溶液の透過分離実験を行った。その結果, TEOSを含有させることによって分離性が低下し, 透過速度が増加することがわかった。これは, 膜内にTEOSの集合体が形成したためであると推察される。さらに, P (VA-AA) /TEOSハイブリッド膜を熱処理し, 膜内のPVAとTEOSとの架橋反応の促進を試みた。その結果, 熱処理によって膜の分離性が向上した。これは, 熱処理によって架橋反応が進行し, 膜が緻密化され, 膨潤が抑制された結果であることが明らかとなった。
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