抄録
シアネートエステル樹脂のシアナト基は, その三量化 (環化) 反応よってs-トリアジン環を形成する。しかし反応系にフェノール化合物が存在する場合は, 従来と構造が異なる三量体が生成することが分かった。生成した三量体を分取精製しその構造解析を行った結果, フェノール化合物が環構造に取り込まれた2官能性のトリアジン環化合物が優先的に生成していることが分かった。また, 変性樹脂硬化物においても, フェノール化合物の変性量が増加するに従い架橋点問分子量が大きくなり, 従来と異なる架橋構造となっていることが分かった。