ネットワークポリマー
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アンモニウム塩によるネットワークポリマーの合成新規キノリニウム塩によるエポキシドのカチオン重合の基礎研究
高橋 栄治三田 文雄遠藤 剛
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2002 年 23 巻 4 号 p. 170-177

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抄録

N-ベンジル, N-(1-ナフチルメチル), N-(α-フェニルベンジル), N-シンナミル-3-プロモキノリニウムヘキレフルオロアンチモネート塩を3-プロモキノリンと対応するハライド化合物との反応後, 六フッ化アンチモン酸カリウムとの塩交換から合成し, これらを用いたエポキシモノマー, アクリルモノマーの重合を検討した。これらのキノリニウム塩は, 以前報告したN-ベンジル-2-シアノピリジニウム塩とほぼ同等の熱活性を示し, 効果的にエポキシモノマーをカチオン重合させた。また, ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物を添加すると, キノリニウム塩単独の場合より重合開始温度が低下した。更に, キノリニウム塩は光重合開始剤としても作用し, ベンゾフェノン等の芳香族ケトン類, 2, 2-ジメトキシ-2-アセトフェノンのような光ラジカル発生剤および2-エチル-9, 10-ジメトキシアントラセンのような芳香族化合物を光増感剤として併用すると活性が向上した。一方, キノリニウム塩は光ラジカル重合開始剤としても機能した。

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