ネットワークポリマー
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ポリイミドとのアロイ化によるポリベンゾオキサジンの高性能化
竹市 力日下部 祐介
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2002 年 23 巻 4 号 p. 195-202

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抄録

ポリベンゾオキサジンの靭性向上を始めとする高性能化を目的としてポリイミドとのアロイ化を検討した。ベンゾオキサジンモノマーとポリイミド前駆体のポリアミド酸とを溶液ブレンドし, 得られるキャストフィルムを加熱処理してベンゾオキサジンの開環重合とイミド化を行うことにより, 三次元網目構造のポリベンゾオキサジンと直鎖状ポリイミドとからなるセミー相互侵入高分子網目 (IPN) 型のポリマーアロイフィルムを作製した。また, ポリイミド主鎖にフェノール性水酸基を導入することによって活性化された芳香環とベンゾオキサジンとの共重合によって, AB-共架橋型のポリマーアロイフィルムも作製した。ポリアミド酸をベンゾオキサジンモノマーにブレンドすると, カルボキシル基の触媒作用でベンゾオキサジンの開環重合温度を大幅に低下させることができた。いずれのポリイミドもポリベンゾオキサジンの高靭性化に有効であったが, セミ-IPN型の方が, 高靭性化にはより有効であった。ポリイミドとのアロイ化により, ポリベンゾオキサジンのガラス転移温度や熱分解温度が高くなり, ポリベンゾオキサジンの高性能化に有効であった。

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