ネットワークポリマー
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自己接着性を有する高性能複合材料用樹脂の強靭化
武山 秀一大山 俊幸飯島 孝雄友井 正男加藤 学
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2004 年 25 巻 4 号 p. 193-199

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抄録
自己接着性を有する高性能複合材料用マトリックス樹脂の強靭化を検討した。マトリックス樹脂として, テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン, ジシクロペンタジエニル型エポキシ樹脂, ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合物に, 硬化剤として4, 4'-ジアミノジフェニルスルフォンを添加した系を用いた。改質剤としては, 分別沈殿法により分画したカルボキシル変性ニトリルゴムを用いた。改質硬化物の破壊靭性値KICは, 分子量 (Mw) が110, 000と300,000のゴム改質剤の5phr, 10phr添加による場合に未改質系に比して50%増加した。特に5phr添加系では曲げ弾性率の低下は少なかった。Mw=590,000の改質剤添加系ではやや改質効果が低下した。相分離構造は, Mw-110,000の改質剤の5phr, 10phr添加系でゴム粒子が分散した海島構造, Mw=300,000の改質剤の5phr, 10phr添加系では分散したゴムの粒子がやや凝集した海島構造を有し, どちらの相分離構造も破壊靭性を向上させるのに有効であることが示された。
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© 合成樹脂工業協会
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