ネットワークポリマー
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25 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山崎 弘毅, 長澤 智三, 松村 智行, 崔 源文, 遠藤 剛
    2004 年25 巻4 号 p. 172-180
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    加硫ゴムをリサイクルし機能高分子材料への応用を目的として, ポリイソプレンへのスチレンモノマーのグラフト共重合により得られるポリイソプレン-スチレングラフト共重合体を合成した。まず, 合成ポリイソプレンおよび加硫天然ゴム (未加硫状態天然ゴムMn=266000) の低分子化について検討を行った。加硫天然ゴムは空気中または窒素雰囲気下, 300℃で加熱の結果, 低分子化加硫天然ゴムが得られた (空気中 : Mn=23600, 窒素雰囲気下 : Mn-37600) 。また, 低分子化加硫天然ゴム (Mn=9910, 44mmol per natural rubber unit) とスチレンモノマー (44mmol) のラジカル共重合はアゾビスイソブチロニトリル (AIBN, 5mo1% (存在下, バルクで空気中80℃, 2時間加熱撹絆した結果, 相当する共重合体が収率88.6%で得られ, その共重合体組成比は1/1.12 ([イソプレンユニット] / [スチレンユニット]) であった。
  • 増子 崇, 武田 信司
    2004 年25 巻4 号 p. 181-192
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    ポリイミド, エポキシ樹脂および銀フィラーの3成分からなる複合フィルムを調製した。動的粘弾性解析, 熱機械分析, および引張試験により, フィルム組成と熱および力学的特性との関係を詳細に検討した。さらに, 弾性率および熱膨張係数の銀フィラー含量依存性について, 実測値と複合則により予測される理論値との比較検討を行い, 樹脂中における銀フィラーの分散形態についての考察を試みた。これらの解析の結果, フィラーの充填により樹脂成分の分子鎖運動および相分離が抑制され, フィラー含量が増加するとフィラー間距離が小さくなり, その結果として前述の効果が強くなることが分かった。また, エポキシ樹脂を添加すると, 橋かけ構造が形成されフィルムが力学的に補強される一方で, その添加量が増加すると, 橋かけ密度の増大によるフィルムの脆性化が進むため, 20重量部添加のところに引張強さの極大が出ることが分かった。
  • 武山 秀一, 大山 俊幸, 飯島 孝雄, 友井 正男, 加藤 学
    2004 年25 巻4 号 p. 193-199
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    自己接着性を有する高性能複合材料用マトリックス樹脂の強靭化を検討した。マトリックス樹脂として, テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン, ジシクロペンタジエニル型エポキシ樹脂, ビスフェノールA型エポキシ樹脂の混合物に, 硬化剤として4, 4'-ジアミノジフェニルスルフォンを添加した系を用いた。改質剤としては, 分別沈殿法により分画したカルボキシル変性ニトリルゴムを用いた。改質硬化物の破壊靭性値KICは, 分子量 (Mw) が110, 000と300,000のゴム改質剤の5phr, 10phr添加による場合に未改質系に比して50%増加した。特に5phr添加系では曲げ弾性率の低下は少なかった。Mw=590,000の改質剤添加系ではやや改質効果が低下した。相分離構造は, Mw-110,000の改質剤の5phr, 10phr添加系でゴム粒子が分散した海島構造, Mw=300,000の改質剤の5phr, 10phr添加系では分散したゴムの粒子がやや凝集した海島構造を有し, どちらの相分離構造も破壊靭性を向上させるのに有効であることが示された。
  • 小西 玄一, 木村 剛, 山岸 忠明, 中本 義章
    2004 年25 巻4 号 p. 200-203
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    Preparation of a new class of organic/inorganic polymer hybrid (nano glass) (3) from novolac (1) is described. 3 was prepared by the acid-catalyzed sol-gel reaction of phenyltrimethoxysilane (PhTMOS) (2) in the presence of 1. 3 was transparent film and showed high heat stability. The dispersion of two components was the utilization of π-π interaction between phenyl ring of silica matrix and that of novolac.
  • 小畠 邦規
    2004 年25 巻4 号 p. 204-214
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    有機-無機ハイブリッド材料は, 無機化学に由来するゾル-ゲル法と有機化学に由来する有機金属化学の融合から生まれた新しい材料である。有機材料と無機材料とで互いに欠けているものを補い, より優れた材料にすることを開発目的としているが, 新しい構造・性能を持つ材料設計の検討もここ数年で顕著に増加している。そのなかでもケイ素系有機-無機ハイブリッド材料は, 有機高分子に近い分子設計・合成が可能となった。例えばカゴ形構造を持つ水素化ポリシルセスキオキサン (T8と略記) を有機化合物と共重合させることによりT8ジインという耐熱性・機械特性・誘電率に優れたポリマーが見出された。ケイ素以外の無機成分においても, 生成物の微粒子化や自己組織化などの反応制御に関する研究が行われてきている。例えばインジウムチタンオキシド (ITOと略記) の微粒子と可溶性ポリピロールとの複合化による透明導電性フィルム作成の可能性が見出されている。
  • 今井 恒雄, 野間口 兼政
    2004 年25 巻4 号 p. 215-222
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    最近, 樹脂のライニング (Lining) 用途への関心が大変高まってきている。ライニングという言葉は元来はコーティング (塗装) のうち, 容器などの内面に塗るものであった。そして, その目的はその容器の内面の材質を保護したり, また, その容器に貯える内容物と容器素材との直接接触をさせぬよう, また, 内容物を汚染する成分が出ないような材料を選んで, 容器と内容物を保護することであった。
    これと似ていることとして洋服の内面をライナーと称し, 外側に覆うものをコート (レインコート等) と呼んでいることがある。しかし, このライニングの意味は拡大して使われ, 容器の内面だけではなく, 基板を保護して覆う, 下の基盤に環境剤 (外の気体・液体) が浸透到達しない厚い膜~シート状のものも指している。
    今日, ライニングについて明確な定義を公的にしたものは世界的に見当たらない。
    強いて言えば, 米国のASTM D5161-96が近いであろう。
    さて, このライニングは現在二分野あり, 一つは「防水」, 他の一つは「防食」である。市場での樹脂の使用量から見れば「防水」の方が多いだろう。「防水」と「防食」とでは, 「防食性評価」の点で若干の差は見られるものの, これは調整される方向にある。
    ライニングの歴史も古く, 木材, レンガ, セラミック (ホーロウ), 鉛, ゴムなども使われてきたが, 20世紀初頭からの石炭・石油化学工業の発展により, 多くの樹脂がライニングに使われ, 所謂「樹脂ライニング」という言葉が良く聴かれるようになった。また, ライニング材料に於いても「繊維強化」による機械強度の向上を行なっており, 今日, 「FRP防水ライニング」なる言葉が広く言われる由縁である。
    今回, 樹脂ライニングの動向をシリーズとして一連の報告をするに当たり, まず, 最も身近で一般的な「FRP防水ライニングの技術と樹脂の動向」を最初に掲載, ご紹介する。
  • 柏原 圭子
    2004 年25 巻4 号 p. 223
    発行日: 2004/12/10
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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