ネットワークポリマー
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エポキシ樹脂複合材料の難燃性に及ぼすナノ水酸化マグネシウム粒子の影響
伊藤 直樹余田 浩好
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2005 年 26 巻 3 号 p. 147-154

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抄録
水酸化マグネシウム粒子を分散させたエポキシ樹脂複合材料において, 得られた複合材料の難燃性に及ぼす粒子径の影響を検討した。ナノサイズの粒子径を有する水酸化マグネシウムを作製し, 燃焼試験を行い, その燃焼メカニズムを考察した。表面処理剤を用いた湿式粉砕で10nmまでナノ粒子化した水酸化マグネシウムを作成した。平均粒子径600nmの水酸化マグネシウム粒子を複合化した場合は, 難燃化を達成するためには70wt%以上の配合量を必要としたのに対し, ナノ水酸化マグネシウム粒子を用いた複合材料は, 40wt%配合量まで低減することが可能であった。これらの複合材料の燃焼試験後のサンプル表面をSEMで観察することにより, ナノ粒子を配合した複合材料表面には, 緻密な炭化物層が生成していることが判明した。この緻密な表面層が可燃性ガスの拡散を抑制し, 複合材料の難燃性を向上させたものと推測した。
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