抄録
高分子の主鎖に剛直な芳香複素環を導入して物理的耐熱性を向上させる耐熱性高分子の開発は既に約40年前に卓越した耐熱・耐環境性をもつポリイミドを誕生させた。しかし使用限界温度300℃を越える耐熱性に靭性, 成形性を付与した耐熱性熱硬化性樹脂開発に関しては化学構造が剛直ゆえ本質的に難溶, 難溶融でポリイミドをもってしても成形加工性の付与はむつかしいとされていた。本稿は, 多くの産業分野で高性能素材として必要不可欠なポリイミドに成形性を付与し軽量で高耐熱な樹脂とその複合材料を開発するこれまでの流れを概観し, 高耐熱熱硬化性ポリイミド開発の課題である成形性の向上と強度特性・靭性向上を同時に満たすと期待される非対称ポリイミド熱硬化性樹脂について化学構造と性質, 樹脂と複合材料化の研究の動向についてまとめた。