ネットワークポリマー
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板状アルミナフィラー充填エポキシ樹脂の耐熱衝撃性評価
酒井 哲也久保内 昌敏江森 作馬津田 健
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2007 年 28 巻 4 号 p. 239-246

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抄録
形状が特殊で大きなアスペクト比を有している板状アルミナフィラーを用いた複合材料を作製し, 機械的特性, 熱伝導性, 破壊靱性および耐熱衝撃性について検討した。不定形および球形アルミナフィラー充填エポキシ樹脂に比べて, 板状アルミナフィラー充填エポキシ樹脂は優れた機械的特性と高い熱伝導率を示した。破壊靱性値および耐熱衝撃値に及ぼす体積充填率の影響を検討した結果, 破壊靱性値は体積充填率の増加に伴って上昇し, 不定形アルミナフィラー充填エポキシ樹脂に比べて, 板状アルミナフィラー充填エポキシ樹脂の方が高い値を示した。一方で, 耐熱衝撃値は体積充填率の増加に伴って低下したが, 板状アルミナフィラー充填エポキシ樹脂は高い添加率で回復した。さらに, 板状アルミナフィラー充填エポキシ樹脂の破壊靱性および耐熱衝撃性は平均粒径に依存し, 平均粒径が小さい場合その向上効果は小さかった。したがって, フィラーのアスペクト比がフィラー充填エポキシ樹脂の耐熱衝撃性および破壊靱性に大きく影響することを確認した。熱衝撃によるクラックは板状アルミナフィラー平面部を選択的に通るため, 低体積充填率では耐熱衝撃性が低下する。しかし, 高体積充填率の場合はクラックを促進するフィラーだけで無く, 抑制するフィラーも存在するため耐熱衝撃値が向上した。
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