フェノール系樹脂とポリエチレングリコール (PEG) との高分子間で均一に混合した複合体を得るため, PEGを共存した状態でフェノール系モノマ-を重合させる方法が考えられる。本研究では, フェノール系モノマーとして
o-クレゾール,
p-クレゾールおよび
o-クロロフェノールを用い, PEGを共存させて重合を行い, 複合体を合成した。モノマーに対するPEGの共存量を変化させることで, 組成や形態の異なる分子複合体が得られた。複合体の形成要因として,
o-クレゾールのヒドロキシル基とPEGのエーテル結合間に働く水素結合相互作用であることがわかった。
o-クレゾール樹脂に比べてPEGを含む複合体は, メタノールへの溶解性の低下およびTgの低温へのシフトが見られた。またPEGの融点が見られなかったことから, 形成した複合体中ではPEGの結晶性が低下しアモルファスであることがわかった。他のフェノール系モノマーとして
p-クレゾールおよび
o-クロロフェノールを用いて複合体を形成させたところ, PEGとの水素結合力に応じて組成が異なる複合体を得ることができた。
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