神経心理学
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シンポジウムI 流暢性の失語症学
失構音/発語失行
失構音の下位分類の精錬にむけて
高倉 祐樹大槻 美佳中川 賀嗣
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2018 年 34 巻 1 号 p. 38-44

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抄録

純粋失構音における病巣部位と発話症状との関係,定量的指標からみた発話特徴,脳血管疾患と変性疾患による症状の差異について解説した.脳血管疾患による失構音は,1)構音の歪み優位,2)音の途切れ優位,3)構音の歪みと音の途切れが同程度,4)音の途切れなし,の4タイプに分類できる可能性を指摘した.さらに,変性疾患による失構音においては,音の途切れが目立たないにも関わらず,発話所要時間の著明な延長が認められるタイプが存在する可能性が示唆された.最後に,失構音の評価・分類にあたっては,構音の歪み,音の途切れ,発話所要時間といった発話特徴に着目し,そのコントラストを検証することが有用である可能性を述べた.

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© 2018 日本神経心理学会
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