抄録
欧米で中心に見られるフードトレイルの取り組みは、地域の食やそれに関連するものをひとつのテーマの下に集積し、観光客に周遊可能なルートを提示するものである。日本では近似的なものとして「食の街道」や「食べ歩きマップ」があるが、欧米で考えられているフードトレイルの発想とは異なる部分がある。本稿では石川県能登地域の「能登丼」を取り上げ、「集積」、「周遊」の観点から比較考察を行う。欧米のフードトレイルが持つ「周遊」概念と異なり、「能登丼」ではスタンプラリー方式が特徴的であることを明らかにし考察を行う。