抄録
統合医療の諸外国における現状と今後の日本での展開に関して、統合医療の意義と導入方策について提案した。ドイツでは、従来補完代替医療が盛んであったが、近年は米国、英国でもガン患者のケアを中心に様々な補完代替医療サービスを提供している。米国やドイツでは、大学医学部に統合医療教育プログラムが開かれ、医師、医療従事者、医学生、一般市民に向けて様々なプログラムが提供されている。日本では、一部のクリニックなどでは統合医療を目指した取り組みがなされているが、アカデミックな場での取り組みは遅れている。そこで日本への統合医療の導入を積極的に進めるため、その意義と方策について検討した。医療は従来トータルに人をみるべきもので、その意味では、統合医療こそが本来あるべき医療の姿であり、充実したプログラムの策定が望まれる。また、統合医療大学の設立とともに、コメディカルの質の向上も必須であり、総合補完代替医療大学の設置も効果的であることが提案された。