日本文学
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秘説の興宴 : 真俗交談記・真俗擲金記(<特集>中世・言談の時空)
山崎 誠
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1988 年 37 巻 6 号 p. 1-11

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抄録
守覚法親王の「真俗交談記」は、建久二年重陽宴の後宴として、真衆と俗士が仁和寺御所で世俗の故実と真言の秘事口伝について、学術の交換を行った言談の記録という体裁をとる。しかし、この言談は非在の時に仕掛けられた仮構であり、守覚の法親王という身分に備わる聖俗両界への興味から、秘説の結集を意図したものである。本書の姉妹篇として 「真俗擲金記」「左記」「右記」という言談の形式によらない真俗記のあることをも論証した。
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© 1988 日本文学協会
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