自由の森学園
1993 年 42 巻 8 号 p. 36-43
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"人間のエゴイズムの醜さがもたらすものは、自己の破滅である"-ここに主題がおかれ、これ迄にも道徳教材の一つとして広く読まれてきた『蜘蛛の糸』であるが、果たして、本当に芥川龍之介は人間のエゴイズムの醜さを主題に話を展開させたかったのだろうか。釈迦の態度や極楽の無頓着な様子などから、道徳教材としては扱い得ない、作者の批判の眼があるように感じられる。道徳教材化を拒む、読みの可能性を、文体に着目する事で考えたい。
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