日本文学
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子規の小さな「日本」(<特集>文学の国境、あるいは国境なき文学)
鈴木 章弘
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1997 年 46 巻 11 号 p. 10-20

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抄録

小説の失敗から始まった子規の俳句改革は、俳句の存在意義を模索し、構築することが隠れた主題であった。試行錯誤の結果、子規は、小さな「日本」の小さな「天然」から小さな俳句が生まれたという結論に至る。だが、それもまた子規の失敗であった。ここでは、この失敗を日清戦争との関係で捉え、この失敗が何を失わせ、何を生んだのかを精神物理学の観点から考察する。

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© 1997 日本文学協会
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