日本文学
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憑依と神婚 : 異類婚姻譚の発生(<特集>言語とシャーマニズム)
岡部 隆志
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1999 年 48 巻 5 号 p. 1-10

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抄録
記紀や風土記には、神婚の物語が多数含まれる。それらの神婚譚は、人々の幻想が生み出したものにせよ、神の妻として世間から認知される巫女の憑依体験が内在されていると考えられる。神の憑依にはレギュラーとイレギュラーとがある。イレギュラーの憑依体験は人間に「畏れ」を抱かせるが、その意味では、イレギュラーの憑依体験が、一般的な神の子の物語とはならない異類婚姻譚などの、人間の側の「畏れ」を内在させた物語を生み出す契機になっているのではないか。
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© 1999 日本文学協会
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