日本文学
Online ISSN : 2424-1202
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修羅能のシテに選ばれた武将たち
—〈清経〉〈敦盛〉そして〈朝長〉—
三宅 晶子
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2011 年 60 巻 9 号 p. 1-9

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抄録

能は引用なくしては成立しえない。ほとんどの夢幻能には本説(典拠)があり、構想レベルからすでに引用の世界である。人物造形の方法、見せ場の構成、名所に縁のある詩歌、故事・経文・呪文など様々に利用されている。

本稿では、世阿弥が「平家の物語のままに」(三道)作った修羅能と、息男元雅作の朝長(『平治物語』が本説)を取り上げ、能によって変貌した主人公たちを追ってみたい。

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