日本文学
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特集・時を越えて伝える
戦死者の記憶・靖国・折口信夫
―― 神話解釈史の視点から ――
斎藤 英喜
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2015 年 64 巻 5 号 p. 54-65

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抄録

戦死者の記憶を語る場所=靖国神社は、また神道や神社の歴史が刻み込まれた場所でもある。明治後期の宮司・賀茂百樹(かもももき)の「他の幾多の神社に異れる由緒と、特例」という主張を、近代の神社のあり方、中世神道から平田篤胤、近代出雲派の「幽事」の神話解釈史のなかに位置づけなおした。さらに柳田国男『先祖の話』、折口信夫の「招魂(しょうこん)の御儀を拝して」を読み解きながら、「戦死者」の記憶から発せられた宗教知の可能性と問題点を探った。

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© 2015 日本文学協会
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