岐阜大学
2015 年 64 巻 7 号 p. 46-56
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源頼政挙兵の発端となった馬争いの説話は、『平家物語』諸本によって配列が異なる。語り本系諸本と読み本系の『源平盛衰記』はともに、乱の序盤に置く。そうでありながら、その意味やはたらきは大きく異なっている。一方は頼政らの心情に共感させながら享受者を物語の世界に導こうとし、一方は広い射程のなかで、乱全体の歴史的意義を説こうとする。同一の配列であることが、両者の歴史文学としての本質的な相違を際立たせている。
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