日本語教育
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実践報告
真正性を高めたタスク教材を用いた指導の効果
――ビジネスメール・ビジネス文書作成に焦点を当てて――
向山 陽子
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2016 年 164 巻 p. 94-109

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抄録

 本研究はビジネス日本語教育におけるタスク中心の指導の効果を検証することを目的とする。大学院ビジネス日本語コース在籍の2年生20名を実験群とし,ビジネス場面のストーリーを設定することで真正性を高めたタスク教材を用い,ビジネスメール・ビジネス文書作成の授業を15回行った。1回目,8回目,15回目に行ったタスクのパフォーマンス,および異なる指導を受けた対照群20名の15回目のタスクのパフォーマンスを比較した結果,実験群のビジネスメール作成能力(全体的評価,形式の適切さ,社会言語的適切さ,語用論的正確さ)に有意な伸び,および対照群との差が示され,ビジネス日本語教育において真正性を高めたタスク教材を用いた指導に効果があることが明らかになった。しかし,文法の正確さには有意な伸びが見られなったことから,文法能力向上のためには,言語形式により多くの注意を向けさせる指導を組み込む必要があることが示唆された。

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© 2016 公益社団法人 日本語教育学会
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