日本語学習者の日本語アクセントの習得に関わる認知的な要因を調査するために,上級韓国人日本語学習者70名を対象に,アクセント習得に関わると考えられる複数の課題を課した。課題は,有意味語の読み上げ課題,アクセント正誤判断課題,無意味語の読み上げ課題とそのモニター課題,およびアクセント弁別課題の5つであった。読み上げ成績と最も相関が高かったのはアクセント正誤判断課題であった。また変数間の関係について,アクセント生成と他変数との関係を考察するために重回帰モデルの検討を行った結果,アクセント生成成績を予測する変数はアクセント正誤判断課題成績のみであることが示された。