日本語教育
Online ISSN : 2424-2039
Print ISSN : 0389-4037
ISSN-L : 0389-4037
調査報告
同級生の日本語母語話者との会話に見られる留学生の普通体使用
――言語社会化の観点から――
奥西 麻衣子
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 172 巻 p. 134-148

詳細
抄録

 本稿では,留学生と同級生の日本語母語話者との雑談を二回にわたって観察し,留学生のスタイル使用および普通体の運用がどのように変化していくのかを,言語社会化 (Schieffelin & Ochs, 1986) の観点から分析し,考察した。結果,来日直後の留学生の発話にはスタイルの混用が散見されたが,2か月後はほぼ一貫して普通体を用いるようになっていた。普通体の使用傾向においては,普通体の様々な対話機能を用いて会話を行う様子が観察された。このことから,目標言語コミュニティの熟達者 (同級生の日本語母語話者) との日常的な相互行為実践が学習者のバリエーション習得に影響を与えていることが示唆された。

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 日本語教育学会
前の記事 次の記事
feedback
Top