日本語教育
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研究ノート
日本語教育で扱うべき語の選定のための医学用語と一般語のはざまの語彙の分析
山元 一晃稲田 朋晃品川 なぎさ
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2020 年 175 巻 p. 80-87

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抄録

 日本語教育で扱うべき語を選定することを目的として,医学用語と一般語のはざまにあたる語彙を医師国家試験を対象として分析した。まず,『現代書き言葉均衡コーパス』と対照し,対数尤度比に基づく特徴度により,特徴的な語を抽出した。その後,『日本医学会医学用語辞典Web版』に,見出し語またはその一部として含まれている語以外の語 (ただし,『日本語教育語彙表 Ver. 1.0』に含まれている語を除く) を,医学用語と一般語のはざまの語彙とした。はざまの語彙は,異なりで全体の12.5% (272語) あり一定数あることが確認された。これらの語のうち頻度が5以上ある語について用例にあたった。その結果,「体の部位や位置を表す語」,「患者の状態を表す語」「医療・福祉分野以外では使わないような語」などに分類できた。また,このような語の中には医療分野以外では用いられず,かつ,推測の難しいと考えられる語があった。

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© 2020 公益社団法人 日本語教育学会
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