日本語の研究
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秋田方言オノマトペにおける2音節語基の音素配列
工藤 真子
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2024 年 20 巻 2 号 p. 140-157

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抄録

本稿では,秋田方言のオノマトペの2音節語基(C1V1C2V2,V1C2V2,C1V1V2)派生オノマトペにおける語基音の組み合わせC1-C2,V1-V2,C1-V1,C2-V2それぞれについて整理し,その特徴を洗い出した。結論として,以下のような点が方言オノマトペを特徴づけている可能性が明らかになった。①方言特有の単音が使用される点,②一般語彙に現れる方言的特徴がオノマトペにおいても観察される点,③子音について濁音を構成する単音や共鳴音が多く用いられる点,④母音について[a]音が好んで用いられる点,⑤方言特有の単音の中に,あまり多く用いられない単音やオノマトペ語基中に使用されない単音が存在する点。また,本稿では語基音の組み合わせについて語基のCVCV構造に注目した分析を行うことで,一方言の語基音の特徴を洗い出す枠組みを作成した。

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© 2024 日本語学会
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