日本観光学会誌
Online ISSN : 2436-7133
Print ISSN : 1341-8270
観光需要と居住地選択-理論モデルとシミュレーション-
角本 伸晃
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 45 巻 p. 31-40

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抄録

従来の住宅立地分析では、住宅は都市内部の郊外に立地すると設定されており、都市の外部に存在するリゾ ート地との関係を明確にし得るものではなかった。しかし、Colwell,Dehring and Turbull(2002)は、都市に居 住して都市で勤務し、休日にはレクレーションのためにリゾート地へ旅行するケースだけでなく.リゾート地に 移住してレクレーション消費をしながら、平日は都市の勤務地に通勤するケース、の両方を考慮して住宅立地を 分析している。他方、筆者はこれまでに、観光を「観光アメニティを享受するために報光財を消費すること」で あるとして、角本(2002)においてモデル化した。本稿では、このモデルに彼らの住宅立地選択のアイデアを導 入して、観光・居住地選択モデルを構築し、次に具体的な効用関数型と数値例を用いて居住地と観光アメニティ (と観光財)の消費がどのようになるかをシミュレーションする。最後に、これらの結果を観光に関する経済的 含意としてまとめる。

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© 2004 日本観光学会
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