贈り物文化は、我が国の伝統的ホスピタリティの一つである。我が国の主食である米は、伝統的に贈答用とし ては親戚や知人向けの縁故米として、用いられてきた。しかし、近年小口化やパッケージデザイン面での工夫か ら米のギフト商品化が進んできているが、どのような購買層が利用しているのかについては、解明されていない。 そこで本稿では、米ギフト市場拡大に向けた知見を得るためアンケート調査によるデータを基に、米ギフトの購 入頻度に作用する要因を順序ロジットモデルおよび共起ネットワーク分析によるテキスト分析を行った。分析結 果から、30歳以上で、大都市圏居住者で農業や米に関心の高い人ほど、購入頻度の高いことが明らかとなった。 今後の課題としては、米ギフトの認知度は低くはないが、実際にギフトとしての購入経験者は多くはないため、 パッケージデザインなど、消費者の関心を高めることが今後有効かつ必要といえる。