日本化学会誌(化学と工業化学)
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一般論文
3,3',3'',3'''-(p-キノジメタン-7,7,8,8-テトライル)テトラアズレン-1,1',1'',1'''—テトラカルボン酸テトラメチルの効率的合成と特性—
武隈 真一佐々木 正人武隈 秀子山本 啓司
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2000 年 2000 巻 2 号 p. 107-114

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抄録
アズレン-1-カルボン酸メチル(1)と1/4モル量のテレフタルアルデヒドとを酢酸に溶解し,希塩酸を加え,室温(25°C)で2時間かき混ぜたところ,3,3',3'',3'''-[1,4-フェニレンビス(メチリジン)]テトラアズレン-1,1',1'',1'''-テトラカルボン酸テトラメチル(2)が収率92%で得られた。次に,化合物2をクロロホルムに溶解し,2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-p-ベンゾキノン(DDQ)で酸化したところ,表題の新規キノジメタン化合物,3,3',3'',3'''-(p-キノジメタン-7,7,8,8-テトライル)テトラアズレン-1,1',1'',1'''-テトラカルボン酸テトラメチル(3)にほぼ定量的に転換されることがわかった。これら生成物の構造はUV/VIS,IR,MS,1H-および13C-NMRスペクトルを測定し,それらの解析結果から決定した。生成物2と3の合成,構造および生成機構の考察について詳述する。さらに,電子受容体[すなわち,テトラシアノエチレン(TCNE), 7,7,8,8-テトラシアノ-p-キノジメタン(TCNQ)あるいはDDQ]と速やかに電荷移動錯体を形成する3の熱分析(TGA/DTA)結果と電気化学的挙動(CV/DPV)についても報告する。また,WinMOPAC V2.0分子軌道計算ソフト(半経験的分子軌道法,ハミルトニアン:AM1)を用いて,3の分子構造(最適化構造),生成熱ならびに電子状態(π-HOMOとπ-LUMOの分布と相違)等についても検討したところ,興味ある知見が得られたので,それらについて紹介する。
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© 2000 The Chemical Society of Japan
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